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恋のゴンドラ 東野圭吾 【感想】 こじれた男女9人の結末は、幸か不幸か 〈おすすめ本〉

こんにちは

オトです

 

 

はじめに

東野圭吾さんの「恋のゴンドラ」を読了しました。

中学生の時、東野圭吾さんの作品が大好きで片っ端から読んでいた記憶があります。

 

当時好きだった作品は「使命と魂のリミット」と「手紙」でした。

 

読者に想像させる文章の造り方が最高な作家さんで、とっても読みやすい作品が多い印象です。なんせ中学生が好きになるぐらいですからね。

 

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(帯文は「貴方ならどんな罰を与えますか」)

あらすじ

都内で働く広太は、合コンで知り合った桃実とスノボ旅行へ。ところゴンドラに同乗してきた女性グループの一人は、なんと同棲中の婚約者だった。ゴーグルとマスクで顔を隠し、果たして山頂までバレずに済むのか。やがて真冬のゲレンデを舞台に幾人もの男女を巻き込み、衝撃の愛憎劇へと発展していく。

 

 罠か無意識か

好きな相手と共通の趣味であるスノボをしに行き、二人でゴンドラに乗る。

そこだけ見たら、というよりかはそんな場所で普通事件なんておこらないものだ。

浮気相手と旅行中に、本物の恋人と同じゴンドラに乗ってしまうなんてそんな悲劇があってしまったらたまったもんじゃない。

 

でもそれがおきてしまった。

最初の章が一番ドギマギさせられた。

 

「ねえ、見て。このスキー場もそうだけど、ゴンドラとかリフトの鉄塔に分数を書いた看板が付いていることがあるよね。ここだと三十三分のいくつって。鉄塔は全部で三十三あって今はどのあたりにいるのかを教えてくれる。」 

 

このセリフに彼女の真意を知りたくて仕方がなく、そわそわしてしまった。

「早く白状しろよ」と浮気中の彼氏である広太に脅しをかけているのか

それとも広太の存在に気づいていないのか

 

ただ女性目線からすれば、もうすでにバレていてコテンパンにやられてしまえばいいとも思ってしまったが。

 

こんな災難というかただの偶然というのがまだまだはじめの章であり、この物語ではこのようなことが次々と襲ってくる。

 

登場人物 

次から次へと新しいキャラクターが登場してくる

 

広太

美雪

桃実

日田

水城

秋葉

月村

麻穂

弥生

 

9人も、いや、たった9人の男女がなんでこんなにもこじれた関係になるのか。

 

ざっと関係性を書いてみるとこのような感じになる

 

広太:美雪と同棲中。桃実と浮気。双方に振られた後によりを戻すが今度は弥生を好きになる。

美雪:広太の浮気を知り、別れる。その後、日田と付き合う。桃実とは高校の同級生。

桃実:彼女の存在を知らず広太と付き合うが、浮気だと知り別れる。その後、日田に興味を持つ。美雪とは高校の同級生。

日田:美雪と付き合いプロポーズしようと試みるが、広太に先を越され別れる。その後、桃実を好きになる。

水城:日田の友人で秋葉の恋人。弥生に浮気相手としてアタック中。

秋葉:水城の恋人。水城からのプロポーズ待ち。

月村:麻穂の恋人であり後に結婚

麻穂:月村の恋人であり後に結婚

弥生:桃実の友人。水城からの誘いを断り続ける。

 

複雑すぎる。

 

東野圭吾作品で男女の縺れや複雑な関係はいくつか見てきた気がするが、ここまで複雑なのは初めてだ。

 

男達の幸運と不運 

最初は広太の浮気がバレるところでその章が終わるが、一冊を通して見てみると広太は運が良すぎる上に懲りない。

 

桃実との浮気がバレた後、坊主にしてまで美雪に頭を下げ許しを請うたはずなのに、そんな時間も経たないうちに今度は弥生と関係を作ろうとしている姿に、心底呆れる。

挙げ句の果て、その時の浮気話になると桃実を悪くいう次第。

そもそも人としてどうなんだそれ・・・。

 

広太とは逆で運が悪すぎる人もいる、日田だ。

「良い友達だけど、付き合うとなるとちょっと違うんだよね」そう評される彼はつくづく運が悪い。

プロポーズしようとしたところで元彼に目の前でプロポーズをされ、別れることになり。

桃実には他の人たちも見ている中で「ごめんなさい」と断られ。

 

んーでも現実でも男性だけでなく女性に対しても言えるものなのかもしれないが

「友人としては良いけど、恋人にするならちょっと違う」と評される人いるなあと感じてました。

 

ゴンドラ

ゴンドラに始まりゴンドラで終わる。

広太と桃実の浮気中に美雪と鉢合わせてしまう場面で始まり

広太と美雪の旅行に今度は元浮気相手の桃実がゴンドラで鉢合わせる場面で終わる。

 

少し先が気になるような。

とりあえず広太をどうにかしてくれと願うばかり。

だれかこの男に罰を与えてくれ、と。

 

私がもし美雪や桃実の立場だったとしたら

自分はどうしただろうか。

笑って話せる日が来るまで胸の奥にいろんな感情をしまうだろうか。

桃実のように悲しさや虚しさ、悔しさを隠し続けるだろうか。

 

あまりにも現実で想像できない複雑化した関係性と惨さに

自分がどうするか答えは出なかった。

 

 

最後に

今までは事件が起こるような東野作品ばかり読んできたが、こんな作品もあるんだと新鮮でした。東野さんぽくない気も一瞬したが、物語の展開やセリフは見事だった。

 

東野圭吾さんの作品でハズレは出会ったことないなあ。

 

ハラハラそわそわのスリルを味わいたい方はぜひ読んでみてください。

恋のゴンドラ 実業之日本社文庫 / 東野圭吾 ヒガシノケイゴ 【文庫】

 

ではまた。

 

 

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