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蒲団 田山花袋・著 【感想】 〜いつの時代も感情に振り回されるのは変わらない〜

こんにちは

オトです

 

  

蒲団 田山花袋

 はじめに

田山花袋の「蒲団」という作品を読んでみました。

きっかけは以前もお話しした「九つの、物語」で登場した作品で、書店に言っても見つからなかったため、電子書籍で読みました。

 

普段はこういった昔の作品を苦手としているので、読んでいる間に体力が消耗している感が否めず読後は「はぁ」と一言。

 

でもなかなか興味深い作品でした

 

あらすじ

日本の自然小説作家、田山花袋を代表する小説。客観描写を利用して、教え子に抱いていた竹中時雄の赤裸々な内面感情が告白される。蒲団に残った女の残り香をかぐ最後の場面はあまりにも有名。藤村の「破戒」と共にその後の日本近代文学の方向を決定づけた記念碑的作品。

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  1人の女に惚れた男の物語

 

文中に度々出てきたこの言葉

 

妻があり、子があり、世間があり、師弟の関係があればこそ敢えて激しい恋に落ちなかったが、語り合う胸の轟、相見る眼の光、その底には確かに凄まじい暴風(あらし)が潜んでいたのである。

 

1人の女に惚れながら、どこかで自分には壊してはいけない家庭があることもわかっていたのでは、もしくはそう思うことによって自分の衝動を抑え込もうとしたか。

 

この時代の恋や結婚に関してどのような規定があったのか、どのような世間の目があったのかは分からないが、いつの時代も誰かを愛すということに変わりはないのではないかと思う。

 

人を愛するということが純粋に綺麗に映ることもあれば

実らぬ恋に崩れ落ち惨めな姿を人の目に移すこともある。

 

寂寥に堪えず、午から酒を飲むと言い出した。細君の支度の為ようが遅いのでぶつぶつ言っていたが、善に載せられた肴がまずいので。遂に癇癪を起して、自棄に酒を飲んだ。一本、二本と徳利の数は重なって、時雄は時の間に泥の如く酔った。

 

 大の大人の男が、他に迷惑をかけていること、他からの視線も気づかず、寂しさに堪えられず酒に溺れる姿がなんと惨めなことなのか。

 

女性目線の感情なのか、情けない、そう思う。

 

最後に

これを読破した今、もう一度「九つの、物語」を読みたいと思います。

そうすることでまた新たな感想が生まれるかもしれない。

 

それにしても難しい作品だった。

しかしいつの時代にも感情に振り回されるのは、変わらない。

 

ではまた。

 

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