oto`s life

初めまして。oto(オト)と申します。本に纏わるお話をしています。気軽に覗きにきてください。

わたしの幸せな結婚 顎木あくみ 【感想】〜心を閉ざした少女と、冷酷な男の幸せになるための一歩〜 〈おすすめ本〉

こんにちは

 

 

はじめに

顎木あくみさんの「私の幸せな結婚」を読了しました。

SNSの広告でコミック化されたこの作品をよく見かけて気になっていたのですが、小説で読むか、コミックで読むかを散々悩み、結局小説にしました。

原作はどうやら小説の方らしい。

 

あらすじ

名家に生まれた美世は、実母が早くに儚くなり、継母と義母妹に虐げられて育った。嫁入りを命じられたと思えば、相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞。大勢の婚約者候補たちが三日と持たずに逃げ出したという悪評の主だった。久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは、色素の薄い美貌の男。

初対面で辛く当たられた美世だけれど、実家に帰ることもできず日々料理を作るうちに、少しずつ清霞と心を通わせていく。

これは少女があいされて幸せになるまでの物語。

 

f:id:oto-life:20200614204847j:plain

真逆な二人の出会い

無になることで自分の立場と心を保ってきた美世と

冷たく美しい容姿と振る舞いを見せる清霞。

 

名家であることは両家とも変わらず、

扱われ方は全く違うものであった。

 

実母が亡くなり、父が再婚したことで始まった美世に対する陰湿ないじめ。

使用人同等、もしくは使用人以下として扱われまともな部屋でさえ、食事でさえ与えられなかった。

 

美世にとっては何かを望むこと自体が不可能でそんな気持ちにさせられる暇などなかったため、急に決められた婚約者が冷酷無慈悲と噂されていようが美世には関係ない。

 

ただ、眠れる場所があればいい。

何にも期待せず、望みもせず、何かがあれば息をするように“申し訳ございません”と頭を下げる。

 

そんな美世が幸せになるための一歩を本人も知らぬ間に歩み出す。

 

 

溶けていく心

 

「いいか。ここでは私の言うことに絶対に従え。私が出ていけと言ったら出ていけ。死ねと言ったら死ね。文句や反論は聞かん。」

 

清霞に初めて出会った日、大して目も合わせずに言われた言葉。

きっと名家の令嬢であればこの言葉に怯むか逃げ出すかであっただろうが、それまで蔑まれ、邪険にされ、罵られてきた美世にとっては“なんだそんなことか”で済んでしまう。

 

そんな美世が心を許し始めるのはそう遠くない未来だ。

 

共にご飯を食べること。

共に街へ出て買い物をすること。

 

そんな普通の出来事が

美世にとっては素晴らしいこと。

 

やがて清霞の側にいたいと、そう思うようになる。

 

また、清霞も今まで出会ってきた女性とは何かが違うと感じるようになる。

 

二人の心が通じた時、

誰にでも幸せになる権利があることを知った時、二人はさらに幸せな日々をすることになるだろう。

 

最後に

 

頑で笑うことを忘れた美世が心を許すまでがやや早い気もする。

心を固く閉ざし、そう簡単には開かないような印象を最初に受けていたが、優しさに、言葉に美世がそう簡単に動かされてしまうものなのか。

 

しかし逆を言えば、優しい扱いや言葉に心を委ねてしまうくらい、やはりまだ幼い少女だとも言える、人にまだ甘えていい年頃なのだ。

 

今後、どういう展開を見せるのかが楽しみだ。

 

 

わたしの幸せな結婚 (富士見L文庫) [ 顎木 あくみ ]

 

ではまた。

 

 

www.otono-oto.com