oto`s life

初めまして。oto(オト)と申します。本に纏わるお話をしています。気軽に覗きにきてください。

コンビニ人間 村田沙耶香 【感想】 / “普通”という名の束縛と、逃れられない“少数派”の現実

こんにちは

オトです

 

 

 

はじめに

村田沙耶香さんの「コンビニ人間」を読了しました。

大分前に、書店で大々的に宣伝されていたのに惹かれ、購入しました。

が、読まないままずるずると何ヶ月、下手したら一年ほど読まずに置きっ放しにしていました。

 

そんな時に、この本の感想を書いている方を見つけて「読んでみたい!」と思いやっと読みました。

「読んでみたい!」と思わせてくれたこの記事を書いてくれたこの方に感謝します。

 

sogood.hatenadiary.jp

あらすじ

「いらっしゃいませー!」お客様がたてる音に負けじと、私は叫ぶ。古倉恵子、コンビニバイト歴18年。彼氏なしの36歳。日々コンビニ食を食べ、夢のなかでもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる。ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて・・・。

 

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音で繰り広げられる古倉恵子の日常

今まで出会ってきた物語の中で、五感に関する描写が沢山あったがそのほとんどが視力だったように思う。

 

しかしこの本の五感に関する描写はほぼ“音”だ。

さらには、コンビニの中の“音”である

 

客が入ってくるシャイムの音に、店内を流れる有線放送で新商品を宣伝するアイドルの声。店員の掛け声に、バーコードをスキャンする音。かごに物を入れる音。パンの袋が握られる音に、店内を歩き回るヒールの音。 

 


コンビニの中だけで、ましてや日常的にそんなに“音”が発生しているものなのかと疑問を持ちたくなるぐらい古倉恵子の中では大事な「コンビニアルバイト」での一つの要素なのだ。

 

コンビニ人間

 

恵子は昔から世間でいう“ちょっと変わった子”で、両親や妹は心配し“治す”ために様々な手を尽くしたが改善は見られずそのまま大人になった。

 

周りからおかしいと思われていることは察してもどうしておかしいと思われているかが分からない。

 

コンビニバイトに出会うことで世間の“マニュアル”に従えば“普通”に見られることを知った恵子はどんどん「コンビニ人間」になっていく。

 

朝になれば、また私は店員になり、世界の歯車になれる。そのことだけが、私を正常な人間にしているのだった。

 

恵子から出てくる言葉にはバイトの最中だけでなく、妹や友人との会話にも全てに「!」がついているし(お客様が立てる音に負けないようにするため声を張り上げる必要があるため)

語尾に「〜」という伸ばし棒がつくのはバイトリーダーの泉さんの影響である。

 

一人の人間というよりもコンビニの古倉恵子になり、戻れなくなっている

 

少人数派が下に見られる世界

 

意味不明な新人バイトの白羽くんは残念ながら私は最後まで好きになれなかった。

言うことは傲慢で、我儘で、人には言うけど自分はできない。

雇われ店長」と店長をバカにするけどそもそもそれにもなっていない人にそうは言われたくないと思ってしまったが、ちょこちょこ痛いところをついてくる。

 

「あいつらは!誰にも迷惑かけていないのに、ただ、ただ少人数だというだけで、皆が僕の人生を簡単に強姦する」 

 

「普通の人間っていうのはね、普通じゃない人間を裁判するのが趣味なんですよ」 

 

世の中の大半が恵子のようだったらきっとそれが“普通”になる。

世の中の大半が白羽くんのようだったらそれが普通に なるだろう。

 

この二人に対して違和感を感じてしまうのは、それが少数派だからなのではないか。

 

変なのではなく、歪んでいるのではなく、ましてや傲慢でも我儘でもなく少数派だから違和感を感じるのか。

 

考え始めたら病んでしまいそうになる。

こんなものに答えがあるのか。

それも分からないからこれ以上はやめておこう。

 

最後に

“普通”とは何をもって“普通”というのいうのか。

タイトルの意味はきっと、読んだ人にしか理解できないものなのではないかと思う。

読んでよかったと思える本でした。

 

先ほど紹介した方が書いたもので、読んだことのある身として他の方の感想を知ることができてよかったと思えた記事も貼らしていただきます。

ぜひ、読んで見てください。

sogood.hatenadiary.jp

 

ではまた。

 

 

コンビニ人間 (文春文庫) [ 村田 沙耶香 ]